公的年金についての雑学 1

本年度は、公的年金についての様々な情報や身近な話題を取り上げていきます。

第1回目は、日本年金機構から令和4年度の障害年金の申請件数や決定件数が発表されましたので、その結果についてお知らせします。これから申請しようとする方、現在受給中だけど今後『更新』を控えている方に参考になる結果だと思います。

更新とは

『更新』とは、診断書を提出して引き続き受給できるかどうか、再認定を受けることを言います。更新の期間は、傷病名や年齢、障害状態により違いますが、1年から5年の間で設定されており、誕生月の末日までに提出するようになっています。中には永久認定と言って、例えば手足の切断等、診断書の提出が不要な方もいます。

初めて手続をして認められた人のうち、障害基礎年金では2級となった人が75%、障害厚生年金では3級が50%弱、2級が40%弱になっています。障害基礎年金には、3級がないので、やや軽くても温情的に2級にしてあげようという傾向があるかもしれません。

診断書の種類

診断書の種類別では、障害基礎年金は「精神障害・知的障害」が80%、眼や肢体の外部障害が15%弱となっています。障害厚生年金は「精神障害・知的障害」が50%弱、呼吸器や循環器、腎疾患・肝疾患・糖尿病等の内部障害が25%弱、外部障害が30%強となっています。

障害基礎年金には、20歳前傷病という生来性や10代で発症した精神障害・知的障害の方々も含まれているため80%という高い数字になっていると考えられます。一方、障害厚生年金は初めて病院を受診した日が、厚生年金加入の会社員である事という条件がある為、申請する時の年齢も20歳以降で、特に病気にかかりやすい中高年齢者が多いのです。そのため、内部障害も多くなっています。

決定件数と不支給の割合は

障害基礎年金の診断書別の決定件数や非該当(不支給)の占める割合をみてみます。

        診断書の種類1級2級非該当(不支給)
精神・知的障害11.10%82.50%6.40%
呼吸器疾患8.10%34.20%57.70%
循環器疾患6.70%29.30%63.90%
腎疾患・肝疾患・糖尿病3.70%84.80%11.50%
血液・造血器・その他8.70%43.70%47.60%
75.90%17.60%6.40%
聴覚等53.80%37.70%8.60%
肢体45.20%37.60%17.20%

障害厚生年金も同じ表がありますが、障害基礎年金の方がより傾向がわかります。

書類をそろえたら申請は受理される?

「書類をそろえて提出したら、大体通るのかな?」という印象を持ちませんか?

精神・知的障害や眼、聴覚等は9割以上決定しています。精神・知的障害は、日々の生活を自身で送ることができず、社会や人との関わりができなければ2級。眼や聴覚は検査数値で決まるので、ほかの要素が入る余地があまりありません。

この表に出てこない『却下』という結論があることも見逃してはいけません。初診日が不明で、審査してもらえなかった場合は、不支給ではなく『却下』となるので、この表の中の数字にそもそも現れていません。

循環器疾患の不支給割合が高いのは、ペースメーカー装着が身体障害者手帳では1級なので、障害年金も2級にはなるのではと思い、申請される方が多いのではないでしょうか。障害厚生年金であれば、3級になるのですが、初診日が国民年金の場合は、障害基礎年金で3級がないため、不支給となるのです。

血液・造血器・その他の診断書を使用するのは、がんが多いのですが、実際非常に認められにくくなっています。放射線治療がつらく全身状態がどんなに悪化していても、余命があと1年であっても、日常生活に支障がないでしょうというスタンスが不支給理由の一つのようです。

最後に『更新』について一言。過度に心配したり、不安になったりすることはないと言っていいでしょう。ただ、日頃から主治医とコミュニケーションを取っておくことをお勧めします。

障害基礎年金の継続は95.7%、支給停止は1.5%、障害厚生年金の継続90.5%、支給停止は2.4%です。

以上、今回は障害年金申請の結果についてのご紹介でした。

この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。

はじめまして

福岡県障がい・遺族年金相談室のホームページにお越しいただきありがとうございます。所長の社会保険労務士、堀江玲子と申します。平成16年に開業し今日まで17年間障害年金および遺族年金をメイン業務として続けています。相談を受けたお客様は1万人を超えます。
障害年金は『初回が勝負』と言っても過言ではありません。
無料相談もおこなっています、どうぞ申請は専門家である社労士にご相談ください。お客様のお気持ちに耳を傾け、障害年金または遺族年金が受給できるよう最大限の尽力をお約束いたします。