遺族厚生年金不支給案件

今回は、遺族年金の請求が認められず私の不完全燃焼が抑えられない為、現在進行形の相談案件についてお話しします。なお、個人情報に抵触する事項については変えさせていただいております。

   

請求事案の概要

夫(死亡者):50歳 妻が遺族厚生年金を受け取るための厚生年金25年の資格は満たしています。

妻:50歳、2人の子はすでに高校を卒業している為、遺族年金受給には関係ありません。

結婚後20数年にわたり、家族4人で仲良く暮らしていたが、当初から嫁姑の仲は悪かった。

数年前に夫が重篤な病に倒れ、仕事ができなくなった。息子の病気の事を大変心配した姑が、実家に引き取り看病をすることになった。そのため、夫婦は別居(住民票が別々)せざるを得なくなった。

療養開始から1年ほどは夫から家族に対して仕送りがあったが、亡くなる1年ほど前からは仕送りするお金が無くなった事と、送金の為に外出する体力もなくなってしまい途絶えてしまった。

家族との交流、メール、電話等は亡くなるまで頻繁にあった。

    

遺族厚生年金を受け取るための条件

妻は、死亡した夫に、死亡した当時生計を維持されていること。

生計維持とは、死亡した夫と生計を同じくしており、一定の収入要件を満たしていること。

生計を同じくとは、必ずしも住民票が同じでないといけないというわけではないが、生活費、療養費等の経済的な援助が行われているか、又は定期的に音信、訪問が行われていること。

以上のような条件が求められるのです。

   

不支給の理由

死亡前の直近1年間位の生計維持関係(仕送り)が認められないこと。

   

不満の理由

・別居の理由が、療養の為であり、夫婦自らが決めたことではなく、姑の意思に従わざるをえなかったこと。二人には婚姻関係を解消する意思は全くなかった事。

・夫は、病気がもとで働けなくなり、収入が全くないため家族に仕送りをしたくても出来なかった状態である事。入院中の費用等は姑が負担・管理していた事。

・長い結婚生活の全体を見ずに、配偶者が死亡した時点という一点だけを捉えて、配偶者との生計維持関係を認めないとすることは、社会通念上逸脱しているのではないかといわざるをえないこと。

今後の手続きの方向性は、妻が遺族厚生年金請求をあきらめるのか、又はあきらめずに審査請求へ進めていくのか、結論はこれからです。

    

この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。

はじめまして

福岡県障がい・遺族年金相談室のホームページにお越しいただきありがとうございます。所長の社会保険労務士、堀江玲子と申します。平成16年に開業し今日まで17年間障害年金および遺族年金をメイン業務として続けています。相談を受けたお客様は1万人を超えます。
障害年金は『初回が勝負』と言っても過言ではありません。
無料相談もおこなっています、どうぞ申請は専門家である社労士にご相談ください。お客様のお気持ちに耳を傾け、障害年金または遺族年金が受給できるよう最大限の尽力をお約束いたします。