障害年金と生活保護

   

今月は、病気やけが等の様々な理由により働けなくなり、収入が途絶えてしまった場合、生きるための最終的な支援制度としての生活保護についてお話しします。また、生活保護と障害年金の関係性がどうなっているか触れます。

生活保護を受けとる為の条件

世帯の収入が、国が定める収入より少なければ、基本的に差額が出るようなしくみです。

生活保護の種類

  • 生活扶助(生活費) 
  • 住宅費(家賃補助) 
  • 医療補助(受診しても本人負担なし)
  • 教育扶助(義務教育を受けさせるための負担) 
  • 介護扶助(介護サービスを利用した場合の負担)
  • 出産扶助(出産にかかる費用負担) 
  • 生業扶助(仕事に就くための費用等) 
  • 葬祭(葬儀費用)

生活保護の金額

金額は住んでいる地域を6段階に分けてあり、福岡市内だと「1級地―2」となります。

●3人世帯(夫婦と子)

生活扶助153,890円 住宅扶助(上限)44,000円 合計 197,890円

●高齢者単身世帯

生活扶助74,690円 住宅扶助(上限)34,000円 合計 108,690円

●高齢者夫婦世帯

生活扶助117,450円 住宅扶助(上限)41,000円 合計 158,450円

●母子3人世帯

生活扶助185,750円 住宅扶助(上限)44,000円 合計229,750円

*令和3年4月現在 厚生労働省社会援護局保護課「生活保護世帯の概要等について」より

申請の流れ

※自動車の保有について・・・全く認められないというわけではなく、自動車を利用しないと通勤が困難な場合、障害者が通勤に欠かせない場合、保有することが社会的に適当な場合は認められています。

生活保護と障害年金

生活保護受給中の方で、障害年金に該当しそうな方がいます。仮に障害年金を受け取ることができたとしたら、国から支払われる障害年金が優先的に支払われ、差額が生活保護から支払われます。

つまり、今まで月に10万円の生活保護を受け取っていたとして、障害基礎年金2級65,000円と福祉的な年金生活者支援給付金5,000円を受給できるようになれば、生活保護はその差額の30,000円となります。

ただ、障害年金1・2級と、身体障害者手帳3級までの方は障害者加算(福岡市在住2級の方で約17,000円)がつきますので、やや生活に余裕がでてきます。また、生活費の合計としては、保護だろうと障害年金だろうと変わらないから、年金申請をしなくてもよいと言われる方もいますが、障害年金だと使い方の自由度が増しますし、権利としての制度なので生活保護受給よりも精神的に楽だと言われる方もいます。

世間では、生活保護受給中の一部の方の不正受給を切り取って非難する方もいますが、実際には、『漏給』といって本来生活保護のセーフティーネットに入らないといけないのに、漏れている方達のことが問題となっている現実があります。

この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。

はじめまして

福岡県障がい・遺族年金相談室のホームページにお越しいただきありがとうございます。所長の社会保険労務士、堀江玲子と申します。平成16年に開業し今日まで17年間障害年金および遺族年金をメイン業務として続けています。相談を受けたお客様は1万人を超えます。
障害年金は『初回が勝負』と言っても過言ではありません。
無料相談もおこなっています、どうぞ申請は専門家である社労士にご相談ください。お客様のお気持ちに耳を傾け、障害年金または遺族年金が受給できるよう最大限の尽力をお約束いたします。