遺族年金不支給報告のその後

今年の2月、遺族厚生年金の請求が認められず、その不支給理由に憤りを感じながら書いた事案に、嬉しい結果が出ましたのでご報告します。

ブログ(以前のブログはこちら)を書いた後、3月に九州厚生局に対して、不服申立て制度である審査請求を行いました。

当方の主張:妻は、亡くなった夫によって生計維持されていた遺族に該当する為、遺族厚生年金の支給を求めるというものです。

争点は

請求事案の状況は、

夫(死亡者):50歳 妻が遺族厚生年金を受け取るための厚生年金25年の資格は満たしています。
妻:50歳、2人の子はすでに高校を卒業している為、遺族年金受給には関係ありません。
結婚後20数年にわたり、家族4人で仲良く暮らしていたが、当初から嫁姑の仲は悪かった。
数年前に夫が重篤な病に倒れ、仕事ができなくなった。息子の病気の事を大変心配した姑が、実家に引き取り看病をすることになった。そのため、夫婦は別居(住民票が別々)せざるを得なくなった。
療養開始から1年ほどは夫から家族に対して仕送りがあったが、亡くなる1年ほど前からは仕送りするお金が無くなった事と、送金の為に外出する体力もなくなってしまい途絶えてしまった。
家族との交流、メール、電話等は亡くなるまで頻繁にあった。

保険者(日本年金機構)の主張:死亡者が、請求人に対して経済的な援助を行っていたことがわかる客観的な追加資料を求めたところ、音信に関するやり取りの資料は提出されたが、経済的な援助を証明する資料の提出はなかった為、生計維持関係は認められず、不支給とした。

争点(問題点)は、請求者(妻)が夫から生計維持されていた配偶者であったかどうかという点になります。

認定基準

〈機構が出している認定基準通知〉抜粋

●経済的援助:認定日の直近において、経済的援助の実態がある必要があるが、入院していた等の理由により、仕送りが期待できない状態にあることが確認できる場合は、除外する。

●音信・訪問:音信・訪問等の存在とその目的を確認し、通常の夫婦又は親子に存在すべき程度のものであるかを確認する必要がある。

●総合的な判断:一時的に途絶えている場合は、認めないという趣旨ではないことから、でき得る限り多くの判断材料を収集したうえで判断する必要がある。

結論

闘病により仕送りをしなかったというより、できなかったというのが実情で、仕送り等が期待できない状況にあることが推認できる。夫と妻双方に婚姻関係を解消する意思はなく、形骸化していないことが資料から見て取れる。

病気というやむを得ない事情が解消すれば速やかに夫婦の共同生活が再開されることが予見されることから、起居を共にし、消費生活上の家計を一にすると認められる。そうすると、原処分は妥当ではなく、これを取り消さなければならない。

以上のように、審査請求という不服申し立ての場で、3か月後に不支給という結論は覆りました。


夫死亡時にさかのぼり、遺族厚生年金が支給されます。遺族厚生年金を残された配偶者に受給させることは、亡くなった夫の意思でもあり、妻が今後65歳まで月に何万円かの遺族厚生年金を受給できることは、生活の大きな支えになります。

危惧していること

今回の事案で思うのですが、日本年金機構審査部門は、提出された資料に細部まで目を通さず、マニュアル通りの通り一遍の審査しかやっていないのではないかという疑問です。

少なくとも、通知等に照らし合わせると、「療養等により仕送りができない状況等は理解できるでしょ!」と思ってしまいます。そこを見逃されると不支給となり、その結論を受け入れざるを得ない案件がこれまでにもあったのではないかと危惧します。

    

この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。

はじめまして

福岡県障がい・遺族年金相談室のホームページにお越しいただきありがとうございます。所長の社会保険労務士、堀江玲子と申します。平成16年に開業し今日まで17年間障害年金および遺族年金をメイン業務として続けています。相談を受けたお客様は1万人を超えます。
障害年金は『初回が勝負』と言っても過言ではありません。
無料相談もおこなっています、どうぞ申請は専門家である社労士にご相談ください。お客様のお気持ちに耳を傾け、障害年金または遺族年金が受給できるよう最大限の尽力をお約束いたします。