「受診状況等証明書」はかなり大切という話

 障害年金の手続きをする際、「受診状況等証明書」という初診の証明書が取れずに、いきづまることがあります。

取れない理由としては、かなり昔のことなので病院名さえ覚えていない、病院が廃院となった、病院はあるがカルテを廃棄したと言われた等です。

年金と受診状況等証明書

請求しようとする傷病で、受診した日が国民年金加入中であれば、障害基礎年金の請求手続きとなり、厚生年金加入中であれば、障害厚生年金の手続きとなります。厚生年金であれば給付(受け取れる年金額)も、受給可能性も(障害基礎年金は1級と2級のみですが、厚生年金は1級から比較的障害の程度が軽い3級まであります)ぐっと高まります。

1か所目の病院で「受診状況等証明書」が取れない場合は⇒2か所目の病院に尋ねます⇒2か所目で取れなければ、3番目の病院に尋ねるということを繰り返すのです。

知的障害など証明書がいらない傷病もありますが、原則最初の病院から現在の病院までを順番に調べて用意しないといけないのです。

取得できない場合

取得できない場合は、受診日に偶然病院で会った、通院している姿を見たという友人がいれば、その人に「第三者証明」を記載してもらい、診察券・入院の記録・薬局の領収書・障害者手帳申請時の診断書等を添付することも可能です。
当時の病院の医療従事者の証明書であれば、1通でも構いません。

やや条件緩和

上記のような方法を取ることもできず、あきらめざるを得ないケースもかなりありました。それで、平成27年10月から初診日の証明がやや緩和されました。

『請求から5年以上前のカルテに受診したことが記載されていれば、本人が申し立てた日を認めます』と範囲が少し広がったのです。

この『初診日の記載された請求から5年以上前に医療機関が作成したカルテを用意する方法』により障害厚生年金1級が認められた事例を取り上げます。「糖尿病性腎症」から「片足切断」に至った男性です。

糖尿病は、体に様々な症状が出るまでに10年~20年もかかります。初診日の病院は、カルテが廃棄されていました。その他の初診を証明する資料も全くなく困っていたところ、病院の医療ソーシャルワーカーが、前医からの紹介状を見たことがありますよと教えてくれたのです。カルテ開示の担当者からは、紹介状は出せないが、カルテ開示は可能ということで、別の場所にある倉庫を探してくれたのです。それで無事初診日が厚生年金に加入していたと証明ができたのです。

受診状況等証明書は大切

年数が経過すればするほど、証明書類がなくなります。多少障害の程度が軽く該当しないと思われても、「受診状況等証明書」だけは用意しておくことをお勧めします。

この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。

はじめまして

福岡県障がい・遺族年金相談室のホームページにお越しいただきありがとうございます。所長の社会保険労務士、堀江玲子と申します。平成16年に開業し今日まで17年間障害年金および遺族年金をメイン業務として続けています。相談を受けたお客様は1万人を超えます。
障害年金は『初回が勝負』と言っても過言ではありません。
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