不支給という現実

不支給事例を取り上げます。障害年金の手続き依頼を受けた案件の内、約9割は受給できていますが、1割ほどは不支給、つまり認められていません。今回は不支給の事例を紹介します。

事 例

比較的若い世代の女性で「もやもや病」という脳の病気です。

【もやもや病】

脳内の内頸動脈の付け根付近の血管が狭窄・閉塞することによって起こります。これが原因で、脳内出血やくも膜下出血が発症しやすくなります。この病気は日本人によって発見され、脳の深部にできた新しい血管が「もやもや」としたタバコの煙のように見えたことから名付けられたそうです。
かなり前ですが、歌手の徳永英明さんが一時期この病気になり、音楽活動を休止していました。

10歳以下の子供たちも発症し、走った後や大泣きした、リコーダーを吹いたりして過呼吸になった時になりやすい病気だそうです。成人の症状としては、突然の頭痛・けいれん・片麻痺・意識障害・言語障害・感覚障害などから始まります。

経 緯

発症:20歳代前半(アルバイトの時なので、国民年金に加入)

   入院治療により、ほぼ完治。その後結婚・出産をする。

再発:子育てに悩み、うつ状態になった(モヤモヤ病との関係あり)

右手が思うように動かない。

スーパーのレジ打ちができなくなり、仕事を辞める。調理道具が持てなくなる。

物忘れが激しくなり、子供に弁当を持たせる事さえ忘れた。

右足の筋力低下により歩行困難となる。

疲労感が強くなり、しばらく動くと休憩を取らないと次の行動に取り掛かれなかった。

受給申請にむけて

初診日は国民年金加入の為、障害基礎年金の2級を目指す事後重症請求(徐々に症状が悪化したということで、現在の診断書1枚で行う請求方法)とした。

面談の際、杖は突いていないが友人に伴われて現れ、歩行にかなり支障がある様子が見受けられた。書類に行う署名も通常の
2倍位時間がかかる。飲物についているストローの袋を開けることができない為、友人が開けてあげた。

申請結果

障害状態が軽いことにより、不支給となる。

   

納得できない

国の決定には基準があります。

しかし、ほんの少しのことで不支給が支給へ変わる可能性はないかと考えてしまうのです。

例えば、

「病歴・就労状況等申立書」という日常生活の不自由度を記載する書類があるが、書き方にもっと工夫が出来なかったのか。

かかりつけの脳神経外科では、計測ができない為、近所の整形外科で測ってもらうよう指示があった。初めての整形外科でこれまでの経緯も知らず、何ら配慮もなく計測された。ここで計測するにあたり注意してもらいたいこと等を送付しておけばよかった。

記憶障害がかなり悪化していたが、肢体の診断書の為か「物忘れが激しい」しか記載されていなかった。


この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。

 

はじめまして

福岡県障がい・遺族年金相談室のホームページにお越しいただきありがとうございます。所長の社会保険労務士、堀江玲子と申します。平成16年に開業し今日まで17年間障害年金および遺族年金をメイン業務として続けています。相談を受けたお客様は1万人を超えます。
障害年金は『初回が勝負』と言っても過言ではありません。
無料相談もおこなっています、どうぞ申請は専門家である社労士にご相談ください。お客様のお気持ちに耳を傾け、障害年金または遺族年金が受給できるよう最大限の尽力をお約束いたします。