障害年金を受給することは、自立した生活を維持するためには非常に大切なことですが、受給することで生活そのものが変わったり、気持ちに変化が起こったりと受給する前に考えておくことがあります。いくつかのポイントを書きましたので受給手続きをする前の参考にしてください。あくまでも一例で、全てではありません。
障害年金を受給する人の気持ちを考えてみる
障害者手帳を持つことや障害年金を受給するということは、人によってはある意味勇気が必要なことかもしれません。特に配偶者や子供さんなど自分以外の障害年金受給の手続きをすることは、本人のためによかれと思って手助けしたことが本人の気持ちを置き去りにしたり、生きる自信を半減させてしまう場合があります。
メリットとデメリットを含めて本人と十分に話し合ったり、時間をかけて、待つということも必要でしょう。
また、回復しようという前向きな気持ちを抑えてしまうこともあります。症状が緩和されて就労できる状態になると、障害年金が停止ししてしまう場合があるため、再び働くことがストレスとなり、さらに経済的な不安が生じるのであれば、回復しようという意欲を持てなくなってしまいます。
仕事(所得)と障害年金を考えてみる
「仕事をしていると障害年金をもらえませんか?」とか「いくらの給料までなら障害年金をもらえますか?」とよく聞かれます。
仕事をしていることによって、請求できなくなるとか、受給するための所得制限があるわけではありません。「20歳前傷病による障害基礎年金」は所得制限がありますが、単身者で年収が650万円位以上であれば(所得で460万円位)全額停止となります。
多くの受給者が気にするような所得ではないと思います。ただ、ほとんどの方は障害が原因で働けなくなっていますので、経済的に困っている方や家族に肩身の狭い思いをされている方が多いのが現状です。障害年金が受給できても、生活の為に働かざるをえない場合、そのバランスは考えておいた方がいいかもしれません。無理をして働くと、障害状態が悪くなるかもしれません。反対に障害年金に頼り切った生活をすると、社会との関係性が閉ざされたままになる可能性も出てくるでしょう。
障害年金と年金の関係を考えてみる
障害年金を受給していても、年金保険料の支払いの免除を受けずに通常通り、年金保険料を支払うことを選択することも可能です。障害年金受給後も年金保険料を支払うことを選択すれば、老齢年金が減ることはありません。障害年金を受給した後に、前述の年金保険料の支払いを免除してもらう手続き(法定免除)をすれば、年金保険料を支払わなかった分だけ将来の老齢年金が減ります。
年金の繰り上げ支給を選択した場合のメリットとデメリット
年金を繰り上げ支給を選択した場合は、通常の支給年齢より早く、60歳から受給することで収入を得るというメリットが生じますが、繰上げ支給をすることで、年金が一生涯減額される以外に障害基礎年金を請求することができないというデメリットが出てきます。