
病歴・治療歴
20年以上看護師だった40歳代後半の女性からの相談です。これまでの経緯を伺いましたが、傷病名がついていません。
ですが、めまいと平衡機能障害で歩行困難となっていることは確かです。面談に見えられた時、赤ちゃんが使用するような歩行器を使用されていました。
20歳代からめまいやふらつきを感じていたため、勤務先の医院を受診し、服薬と点滴をしてもらっていました。仕事や家事で受診できない期間もありましたが、十数年後には脚力の低下により仕事に支障をきたすこととなり、やんわりと退職勧奨されたのです。
原因を突き止めるべく、心療クリニック・脳神経外科・脳神経内科・耳鼻科・内科・整形外科等様々な病院で検査をしましたが、自律神経低下、平衡機能異常以外はすべて正常だったとのことでした。
請求方法と結果
「めまい症・平衡機能障害」による障害厚生年金の事後重症請求です。
初診が請求時より25年近く前の為、カルテ廃棄により2か所の耳鼻科から取得できずに3か所目の耳鼻科から取得しました。ただ、1か所目の耳鼻科は元勤務先でもあり、「受診状況等証明書が取れない申立書」に詳細に経緯を記しました。
様式120-2号という平衡機能の診断書の内容について少し触れます。
気になった事は、傷病名が確定していない為、障害状態で申請せざるを得ない事と診断書③欄の「①のため初めて医師の診療を受けた日」が診療録で確認ではなく、本人の申し立てになっていることでした。証明としては弱いのです。
⑨欄 めまい、耳鳴り、難聴感あり。座位では落ち着くが、何かにつかまらないと起立不可。歩行は常にふらつきを感じ徐々に悪化。四肢体幹に異常なし。神経内科・頭部画像検査も異常なし。
⑩欄(3)平衡機能の障害
ア.閉眼での起立・立位保持の状態は1が可能である 2が不安定である 3が不可能であるの3種類で3の評価でした。
イ.開眼での直線10m歩行の状態も、一番重たい評価の3の転倒あるいは著しくよろめいて、歩行を中断せざるを得ないでした。
結果は、
残念ながら「当該請求にかかる傷病(めまい症、平衡機能障害)の初診日が平成〇〇年〇月頃 厚生年金被保険者であった間であることを確認することができないため」却下でした。
認定結果と審査請求
却下の原因が初診日不明という事でしたので、まず、日本年金機構の障害年金センターで作成している成績表みたいな『障害状態認定表』を取り寄せました。
めまい症と平衡機能障害は因果関係ありでしたが、耳鼻科の受診状況等証明書の中にあったメニエール病との因果関係は否定してありました。
障害等級としては、閉眼起立不能で2級となっています。そこで、請求者と話し合い、引退なさっていた当時の主治医であり雇い主に第三者証明の記載を依頼しました。鮮明に当時のご記憶が残っており、快く「初診日に関する第三者からの申立書」を書いてくださいました。

審査請求書を提出して5か月後に社会保険審査官から取り下げ依頼の連絡がありました。つまり、日本年金機構が障害厚生年金2級を認めると判断したので、審査請求書を取り下げていただきたいとの内容です。
障害厚生年金の2級なので月に10万円位はあり、収入がなくなった後の生活の大きな支えになりますと喜んでいただきました。
この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。

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