障害年金の認定状況についての調査報告書

今回は障害年金の事例ではなく、3月頃から新聞紙上で取り上げられていた『障害年金不支給件数の増加』について、令和7年6月11日に厚生労働省年金局から、調査報告書が発表されましたので、その内容について見てみます。

事の発端は、令和6年度に障害年金が認められなかった件数が異常に多いということでした。それが国会で取り上げられ、年金局が、抽出して調査を行い報告するということになっていました。

結論を言いますと、新規裁定分(新しく請求書を提出し、審査を受けること)を無作為で1,000件抽出し、その内不支給130件について個別に確認をしたとなっています。

その中で、個別の案件について審査した職員に対してもヒヤリング等が行われています。

非該当割合(認められなかった)割合は、令和5年度8.4%、令和6年度13.0%であり、確かに上昇しています。その内傷病別でいうと精神障害は、6.4%から12.1%に、倍増しており、声を上げた社労士の主張が裏付けられています。外部障害と内部障害に関しては、不支給割合はさほど増えていません。

この不支給割合を増やす事、言い換えると受給を認めるなということなのですが、そこに組織的な指示や対応があったのかどうかです。これについてはヒヤリングでは確認できなかったとなっています。指示があったという報告はできないのではないかと思います・・・

受付から職員による確認(納付要件の確認・事前確認票の作成〈障害等級の目安・診断書に記載された療養状況・生活状況・就労状況〉・ガイドラインに規定する考慮すべき要素・障害等級の案)

そして、認定医による審査(事前確認票を参考に、医学的な観点から障害等級を判断)という風に流れていきます。

報告書では、職員が等級案を記載する必要性は高くないのではないかとなっています。当然だと思いますが、実際は職員が作成した事前確認票を記載する際に、暗に認める案件を抑えるようにというような指示があったのではないかと考えます。そうでなければ、昨年の2倍の不支給という数字が出るはずがないのですから。

※ガイドライン・・・平成28年7月15日に出された「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドラインのこと、

職員が作成した「事前確認票」の内容についても、「どういう点が上位等級を検討する要素で、どういう点が下位等級を検討する要素なのか」といった明確な記載が求められるとしています。

小括として、障害認定基準やガイドラインに逸脱する審査を行っている事実は確認できなかったとしています。「合理的かつ明確な理由」を丁寧に記載できていない事例も見られたということです。

不支給通知と理由付記文書を受け取り、その内容に愕然とした請求者も多いのではないでしょうか。正直、その方の人生がかかっているのにと思ってしまいます。

今後の対応として、いくつか掲げてあります。

 ・事前確認票等の運用改善

 ・担当認定医の無作為での決定

 ・理由付記文書の改善

 ・認定事例の作成・考慮要素の徹底

 ・複数の認定医による審査の拡大

 ・障害認定審査委員会の活用

点検の結果、必要なものは、処分を取り消し、改めて支給決定を行うとのことでした。

内容の一部を簡単に紹介したものなので、わかりにくかったかと思いますが、これからもどのような審査が行われているか、注視しつつ障害年金申請に臨みたいと思っています。

この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。

はじめまして

福岡県障がい・遺族年金相談室のホームページにお越しいただきありがとうございます。所長の社会保険労務士、堀江玲子と申します。平成16年に開業し今日まで17年間障害年金および遺族年金をメイン業務として続けています。相談を受けたお客様は1万人を超えます。
障害年金は『初回が勝負』と言っても過言ではありません。
無料相談もおこなっています、どうぞ申請は専門家である社労士にご相談ください。お客様のお気持ちに耳を傾け、障害年金または遺族年金が受給できるよう最大限の尽力をお約束いたします。