先月に引き続き、公開審理で取り上げられた18の案件の内1件の具体的な内容と感じた事を述べます。
傍聴者である私には、事件プリントという審議する内容が印刷された書類は一切ありませんので、見聞きした事実からお伝えすることになります。
公開審理事例
双極性障害で障害厚生年金 障害認定日請求の40歳代男性
争点:(等級の争い)障害認定日と事後(提出時)2枚の診断書を提出し、共に3級と認められているが、2級相当だとの主張。代理人の社会保険労務士を立てずに、ご夫婦で再審査請求まで進めたもの。
審査長が請求人へ伝えたい意見があればと促しました。請求人は、これまで障害状態により5回も休職・復職を繰り返した自分の障害状態は、日本年金機構の『障害認定基準』の2級相当だと主張しました。
なぜ5回も休職している状態が3級で、2級ではないのか、根拠・理由を教えてくれと保険者側(日本年金機構)に詰め寄ります。
平行線
保険者側は、休職回数で決まるものではなく、診断書の内容を総合的に判断した結果、2級ではなく3級と判断したと同じ事を何度も述べます。本人が納得するような回答もなく、このやり取りが数回続き、平行線の状態でした。
このやり取りから代理人として請求者側の立場に立つ当職ですが、正直な感想を申し上げると、やはり3級かな?と思いました。
理 由
理由① 診断書の内容が2級相当だという具体的な障害状態の資料を添えて言及、証明することなく、あくまで休職の回数と妻の援助を受けていたという事実しか主張しなかったこと。
理由② 出席時はうつ状態ではなくそう状態のようでした。双極性障害で請求した過去の経験からの感想になるのですが、再審査請求まで自身で書類作成ができるのであれば、3級相当ではないかという感想を持ちました。
2級相当の方は、こういった社会的で持続的な活動ができない、書類作成が困難な方がほとんどです。精神障害で障害厚生年金2級の方は、そもそも労働できない状態の為、退職に至った方が非常に多く、休職、復職を繰り返しているということは、3級相当かと感じた次第です。
この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。
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