時々、「障害年金を受け取れるようになりましたが、国民年金保険料の支払いはどうしたらいいでしょうか?」という質問を受けます。
障害基礎年金1級又は2級が認められた場合
障害基礎年金1級又は2級が認められた場合、住所地の国民年金課へ届いた年金証書を持って届け出をすれば、国民年金保険料が免除される法定免除制度があります。
65歳からの老齢基礎年金額を2分の1支払ったものとして計算してくれます。法定免除の届け出をせず、年間20万円ほどの国民年金保険料を支払えば、1年あたり19,000円ほど受け取れ、20歳から60歳までの40年間支払えば年78万円ほど(月に65,000円弱)受け取れます。
ただし、65歳時点で障害基礎年金2級を受給していれば、老齢基礎年金と障害基礎年金両方は受け取れません。どちらか一つを選ぶことになります。40年間払った満額の老齢基礎年金と障害基礎年金2級は同額ですが、非課税であることや福祉的な年金生活者支援給付金(月5,020円)を受け取れる障害基礎年金2級のほうが有利となります。
障害状況が改善した場合
65歳前に障害状態が改善し、2級でなくなっている事もあるので、国民年金保険料の支払いを迷われる方もいます。改善の可能性と年齢を加味して決めてください。
〇現在の2級相当の障害状態が当分の間続きそうか、あるいは症状改善の可能性があり、停止になることもありそうか? 当分の間続きそうであれば、法定免除で構わないかと思います。よくなる可能性がある傷病であれば、払っておくほうが無難ではないかと思います。
〇若い方であれば、将来の老齢基礎年金額を考えて払っておく、50歳過ぎの方で、今後さほど改善の可能性がなさそうであれば、法定免除で十分かと思います。年金保険料に充てる分を貯蓄に回しておいたほうが無難かもしれません。
もともと、抱えている傷病により働けない方が多く、払っている人よりも免除申請を行っている人のほうが多い状況です。これまで多少無理をして払ってきた方が、過去にさかのぼって払われる障害認定日請求が認められた場合に、過去分の国民年金保険料の還付を希望することもできます。その場合は、まとまった過去の障害年金と還付された国民年金保険料を併せて受け取ることができます。
65歳からの3通りの受け取り方
最後に、厚生年金期間がある方の、65歳からの3通りの受け取り方にも触れておきます。
- 老齢基礎年金(払った期間に比例)+老齢厚生年金(平均の給料やボーナスで計算)
- 障害基礎年金2級(月65,000円弱)+年金生活者支援給付金(月5,020円)
- 障害基礎年金2級+年金生活者支援給付金+老齢厚生年金
長く働いた方は③が一番高くなります。国民年金をあまり払っておらず、厚生年金の期間は短いという人の中には、①より⓶のほうが高いという方もいます。正確な年金額は年金事務所で計算してもらい、税金面や企業年金連合会から払われる厚生年金基金分を合わせて考えて選んでください。
この記事は、リスク法務実務研究会のホームページ(http://riskhoumu.com)に「人生いろいろ年金もコロコロ」として投稿させていただいております年金受給に関する事例です。
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